失踪宣告手続きの記録

約9か月かけて失踪宣告の手続きを行いました。

その備忘録です。

 

誰かのお役に立てば幸いです。

 

 

 

家出人捜索願受理票の開示請求

失踪宣告申立てに必要な書類のうち、「不在の事実を証する資料(警察署長の発行する家出人届出受理証明書)」を紛失し(家族が所持していたが、家の片付けの際に紛失した)たため、最寄りの警察署へ行き、開示請求を行った。

開示請求は家出人届出を申請した警察署へ行くことが望ましいが、最寄りの警察署から申請した警察署へ問い合わせをしていただき、間違いないことが確認できたため、最寄りの警察署で手続きを行うことができた。

署内でいきさつを説明し、警察官が記載したメモのとおりに開示請求理由書を作成し提出した。

 

 

開示請求から約2週間後、警察から簡易書留が届いた。「保有個人情報部分開示決定通知書」が同封されており、この通知書と文書交付代(10円)を持参し、最寄りの警察署へ出向き家出人捜索願受理票のコピーを受け取った。

 

失踪宣告申立て

 家庭裁判所へ出向き、以下を提出した。

  • 申立書1通
  • 申立人の戸籍謄本1通
  • 不在者の戸籍謄本、戸籍の附票各1通
  • 家出人捜索願受理票

申立書は家庭裁判所で入手できる。以下のサイトでも入手可能。

 

裁判所|失踪宣告

 

申立書提出時に、費用として以下を郵便局で購入し納めるように言われたため、その足で郵便局で購入、裁判所へ納めた。

  • 収入印紙  800円分(400円×2枚)
  • 連絡用の郵便切手  500円×2枚、82円×15枚、20円×3枚、10円×10枚、2円×5枚  計2,400円分

 

 調査官との面談

事前調整

申立て提出から10日後くらい後だったと思うが、家庭裁判所調査官から電話があり、対面調査のための日程調整を行った。

その後、裁判所から照会書が届き、調査当日までに照会書にある質問事項に記載するよう指示があった。

照会書の内容はそれぞれ事情により異なると思うが、私の場合は申立てをした理由、私の仕事・家族構成、不在者の最後のようす、不在になったことを知ったきっかけ、思い当たる理由、親族について(居住地)といったようなものだった。

 

 

調査当日

 家庭裁判所内の相談室のような部屋で、調査官1名と、照会書に沿った質問に回答した。

本当に失踪状態なのか調査官が判断できるよう、不在になった状況が説明できるとよいので、当時のメモがあると参考になる。

また、不在になってから残された家族はどのように生活していたか説明できるよう準備しておくとよい。失踪者の預金通帳なども。

当日ヒアリングは私一人で臨んだが、親戚にも書面で質問することになった。

 

調査後日

親戚(2名)に、裁判所から書面質問が届く。質問は難しいものではなく、不在者の現在の住所は知っているか、など、現在の状況を知っているかどうか確認するものであったとのこと。

 

 

官報掲載

 

調査から約1か月後、裁判所から事務連絡通知が届く。

調査官の調査が完了し、官報へ掲載するため、掲載料(4,298円)を振り込むようとのこと。

同封の振込依頼書を銀行へ持参し振り込んだ。

振込後、保管金提出書に記載し、裁判所へ送付した。

 

 

振込後、裁判所から保管金受領証書を郵送にて受け取った。

 

振り込みから1か月弱で官報の「失踪に関する届出の催告」という欄に掲載された。いつ掲載するかは裁判所から通知はないので、インターネット版官報をまめにチェックするとよい。

直近30日分しか掲載されないので注意する。

kanpou.npb.go.jp

 

 

 審判確定

官報の「失踪に関する届出の催告に記載される、「届出期間満了日」を1週間ほど過ぎたころ、裁判所から今後の手続きに関する通知が届く。

官報に掲載されてからおよそ3か月半後のことであった。

 

通知には「審判書謄本」及び「確定証明書」の申請書が同封されており、申請書に必要事項を記載して収入印紙(150円)とともに裁判所へ返送すると「確定証明書」が手元に届く。

 

除籍手続

 

この「確定証明書」を市町村役場へ提出すると、戸籍の除籍手続きが行われる。

「確定証明書」は提出すると戻ってこないので記録として残しておきたければ複写しておくとよい。

また、当日戸籍が修正されるわけではなく、役場で内容確認のうえ手続きされるので、戸籍が変わるまでに1、2週間はかかる。

戸籍には、「死亡とみなされる日」「失踪宣告の裁判確定日」「届出日」「届出人」が記載される。

 

 

 

 以上で失踪宣告が完了した。

何度か書面でのやりとりがあるものの、あっさりとした印象である。

官報を参照されるとわかるが、意外に同じ状況にいる方が多い。